ヤシマ作戦(ヤシマさくせん)とは、TV版の第六話『決戦、第3新東京市』の中で、第5使徒ラミエルに対し特務機関ネルフが展開した作戦の名称。本作戦による戦闘が本編初期最大の山場である。新劇場版におけるヤシマ作戦との差異は特に#新劇場版におけるヤシマ作戦を参照。
呼称の由来は作中では明らかにされないが、那須与一が扇を的に矢を射たという故事(どこにあてたのかについては、要という説と扇に描かれた日の丸という説があるらしい)のある屋島であるとフィルムブック2巻で解説があり、後にフィルムブック5巻で「庵野監督より日本全体の古称である八洲の意味が含まれるとの指摘」があったと追加されている。日本中の電気をかき集めて使徒に対することの謂であり、ヱヴァンゲリヲン新劇場版では赤木リツコによってこの意味であると説明されている。
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第5使徒ラミエル(新劇場版では第6使徒)に対しては、それが持つ加粒子砲による攻撃のため、エヴァンゲリオンによる近接戦闘は不可能であった。このため、葛城ミサト作戦部長は、超長距離射撃によるATフィールドの力技での一点突破および使徒の撃滅、という作戦を提案した。これに対するMAGIの判断は「賛成2、条件付賛成1」であり成功確率は8.7%と算出された。これはラミエルが地下ジオフロントへ潜行させた巨大シールドがネルフ本部へ到達する、翌午前0時6分54秒までに実現可能な作戦のうち、もっとも高い成功確率である。
本作戦に要求される火砲の出力はポジトロンライフルの作動範囲を超えていたため、ネルフは特務機関権限で戦略自衛隊技術研究所から自走陽電子砲を徴発、これを改造したポジトロンスナイパーライフルで作戦に当たった。また要求される出力を実現するためには膨大な電力を必要としたため、日本全国の電力をも徴収した。
作戦では碇シンジの操縦する初号機が射手を担当、綾波レイの零号機がエヴァ専用耐熱光波防御兵器(以下盾)で防御を担当することとなっていた。しかしその盾がラミエルの加粒子砲に耐えられる時間は17秒と算出され、これはポジトロンスナイパーライフルの連射間隔(漫画版では20秒とされているが、本編では具体的数字は説明されず。画面上では第一射、二射とも70秒)を下回っていたため、実質的には第2射を考えない一撃必中が要求された。
実際の作戦ではラミエルがポジトロンスナイパーライフル発射前にこれを察知し、初号機の第1射とラミエルの第1射が同時に行われ、干渉により共に外れた。しかし連射力に勝るラミエルが即座に第2射を発射し、零号機が盾でこれを防御する。しかし初号機の第2射発射以前にこの盾が融解し、残りの数秒を零号機が自らの機体を盾にして攻撃を防いだ。この後の貴重な第2射は超長距離からラミエルの中心部を貫通し、ヤシマ作戦はここに終わる。
使徒に対抗可能な兵器は唯一人造人間エヴァンゲリオンとされる中で、この作戦ではエヴァによるATフィールド中和を必要とすることなく使徒を殲滅した。第壱話の碇ゲンドウの発言や、第七話における赤木リツコと時田シロウとの会話によれば、通常兵器が使徒に対して決定手段とならないのはATフィールドの存在ゆえであるが、今回使用されたポジトロンスナイパーライフルは通常兵器としてその壁を越えた事になる。
2007年に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は、話の展開がおおむねTV版の第壱話から第六話までにそったものであり、ヤシマ作戦の内容に関してもほとんど違いは無い。対象となる使徒は新劇場版の番号付けのずれから、第6使徒である。
途中で画面に登場する作戦概要表紙に書かれた文字列は「ヤシマ作戦 -高エネルギー集束帯によるATF強行突破の為の大口径陽電子砲を使用した超長距離直接射撃計画-」。概要冊子には「極秘」「SECRET」の文字のほか、了承印として科学技術長官印、神奈川県知事印、国土環境大臣印、内務大臣印、第三新東京市長印、運輸大臣印、国防大臣印が並ぶ[1]。
狙撃用ライフルは「陽電子砲」と呼ばれるようになり、英語名「ポジトロンライフル」という呼称は一切登場しない。なお、陽電子砲の正式名称は「大出力型第2次試作自走460mm陽電子砲」[2]、盾は「エヴァンゲリオン専用単独防御兵装 ENCHANTED SHIELD OF VIRTUE」となり画面上でも「ESV」の文字が容易に確認できる[3]。二子山山頂の射撃位置は「二子山第2要塞・下二子山頭頂部臨時射撃場」である[4]。
TV版とは異なり、事前のミーティングにおける盾の詳細スペックに関する説明はなかった、その代わり「初号機は射撃位置を移動できない」設定が加わっている。これは漫画版にて初号機が攻撃を避けるため積極的に移動しているのと対照的である[5]。また、大きな違いとして、
新劇場版においては、初号機は無干渉のまま第1撃を相手に与えるが、使徒を撃破するには至らず、直後に使徒からの反撃(使徒の第1撃)を受ける。使徒の第1撃が止んだ後、ゲンドウとミサトが射手を零号機に変更することについて意見を交換するのと前後して、初号機が射撃位置に復帰する。
初号機が第2射の準備をする間に、使徒からの第2射が二子山に到達。零号機はESVにて防御を行う。ただし途中で盾が融解し、最終的には右手(右腕)で使徒のビームを受ける。これに僅かに遅れる形で初号機が第2射を発射。使徒を撃破しヤシマ作戦は終了する。