ミサトカレーとは、葛城ミサトが作ったカレーライスを指す語。劇中では用いられておらず、あくまでファンの間での俗称である。
本編でミサトがカレーライスを作ったのは第伍話『レイ、心のむこうに』での一回のみだが、調理というよりレトルトカレーを温めただけである。それを食べた碇シンジや赤木リツコの反応が劇中においては独特の演出が為されており、ペンペンに至っては口に入れた途端に卒倒していることから、ファンに強い印象を与えることになった。ちなみに、シンジとリツコのカレー皿がコマの切り替えとともに空になっているが、会話の流れからこれは一瞬の出来事であると考えられ、明白な作画ミスと指摘することができる。
上記ミサトカレーに対する描写は、本編全般を通して見られるミサトの性格や生活態度、第拾参話『使徒、侵入』でのリツコの「ミサトが入れてくれたコーヒーがおいしいと思ったのは初めて」という台詞などと相まって、ファンフィクション(FF)の中でミサトが味覚異常者かつ料理能力破綻者とされる要因となった。
なお、ミサト自身はカレールーをカップラーメン(エースコックのスーパーカップ1.5倍 ねぎチャーシュー味 2007年9月現在は絶版)に入れておいしそうに食しているが、曰く「(カップラーメンの)スープとお湯を少なめにしておくのがコツ」とのことである。これを実行したファンの評価は概ね良好であるし、『新世紀エヴァンゲリオン』とは関係なくオリジナル料理として紹介している人もいる。このミサトが食していたカレーラーメンは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』公開記念イベントとして、秋葉原のメイドカフェ「CURE MAID CAFE」にて2007年8月24日~9月2日の期間限定で開催された「EVANGELION:CAFE」のメニューのひとつとして再現された。メニューの名前もそのものずばり『ミサトカレー(ラーメン)』としている。絶版となってしまっている「ねぎチャーシュー味」の替わりに「鶏ガラしょうゆ味」を使用し、カレールーそのものは同店で通常提供されているカレーライスのものを使用した。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』では、このエピソードそのものがオミットされ、代わりに「バーで酒を飲むミサトとリツコ」になってしまっている。よって、綾波レイの更新IDカードはミサトからシンジに託されている。
2009年5月から6月にかけてローソンにて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』とのタイアップの一環として「葛城ミサトのカレーラーメン」が発売された。製造元はエースコックであり、商品のサイズもスーパーカップシリーズに準拠している。もう一品のタイアップカップ麺は東洋水産製「綾波レイのにんにくラーメンチャーシューぬき」であった。
ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』では、葛城邸を訪れた霧島マナにミサトカレーが振舞われている。シンジの心配をよそにマナはミサトカレーを「おいしい」と喜んで食べている。さらに、シンジと惣流・アスカ・ラングレーは初めは嫌そうであったのだが、特に卒倒するような描写は無しに平らげていた。納得できる出来に仕上げるまでに3回も作り直しをしたとはいえ、他人に「おいしい」と評されるほどまでミサトの料理の腕が上がったことについて、本編における描写との違和感を覚えるという意見がある。なお、このシーンでは綾波レイもカレーを食している。ミサトが調理しているシーンの絵を見るとサラダと思しきボウルとレタス、キャベツ、セロリ、にんじん、たまねぎ、塩・胡椒の小瓶と思しき物しか描写されておらず、レイの事を考慮して肉ッ気無しで作ったのかどうかは判然としない。アスカが食べている皿に肉と思われるものが見えるが、ジャガイモとも捉えることが出来る。
FFでのミサトカレーは、主にギャグやコメディといったジャンルに属する作品を初めとして、それが登場する作品ではほぼ全てにおいて、味が酷くまずく、とても人が食べられるレベルのものではない「猛毒物質」として扱われている。なお、「猛毒物質」という語自体は、1990年代前半にまずい飲食物の俗称としてパソコン通信で広まったものである。
立花著『みさとかれぇ』では、完全に未知の物質と化したミサトカレーが不気味に描写されている。みゃあ著『新世紀エヴァンゲリオンH』ではネルフ職員の間でも有名な存在となっており、「鍋をも溶かす」「命を吹き込まれ、不定形生物となって下水をさまよう」「第七使徒の敗因はミサトカレーの匂いをかいだため」といった都市伝説が流れている。また、INA著『最後の晩餐』においては、チルドレンたちのみならず洞木ヒカリを筆頭に2年A組の生徒にまで「無差別殺人」「民間人へのテロ」と評されている。ミサトカレーによって使徒を殲滅した作品も数多く存在する。
一方で、ミサトカレーが薬になるFFも少ないながらも存在し、は蘇生用の気付け薬や精力剤の主成分となったりしている。トリップをもたらす麻薬として扱っている作品すら存在する。