ゼーレ

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エッセネ派 から転送)

ゼーレ(独:Seele)とは、『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する国際秘密結社。死海文書の記述に基づき、人類補完計画を完遂させるべく特務機関ネルフ及び全世界を操る。

人類補完委員会の5人の委員は全て、ゼーレの最高幹部に含まれており、同委員会議長のキール・ローレンツはゼーレにおいても首席の地位を占める。冬月コウゾウの台詞によれば、国際連合内部の秘密組織たる人類補完委員会よりも更に影の存在であるようだ。ゼーレの最高幹部会議は、全員がモノリスのホログラムを通じ姿を現さず音声のみで行われる。

脚本段階では実在する死海文書を残したユダヤ教エッセネ派の一支流に連なるとの設定があったが、放送コードに対する配慮により、実際に作られた本編及び劇場版では、この設定は削除された。本編でゼーレの実像が明確でないのはこのためである。

世界の動向は全てこのゼーレの最高幹部によって決せられるという点では、トンデモ陰謀論におけるユダヤ・フリーメイスンリーのイメージが近い。

名称はドイツ語で魂、霊魂の意味。

目次

[編集] ゼーレのシンボル

ゼーレのシンボルは「逆三角形に七つの目」を配した図案であり、二等辺三角形の逆三角形に正面向かって左に3つ、右に4つの目玉が描かれた紋章である。ネルフ本部最深部ターミナルドグマリリスに着けられた仮面にはこれが用いられている。また劇場版前半のゼーレの登場するシーンで登場する。この図案にいかなる意味があるかは諸説有り定かでない。有力説としては『ヨハネの黙示録』第五章六節にある「全地に遣わされし神の七つの霊」に由来するというものがある。

2007年から順次公開される新劇場版ではゼーレのシンボルは改められ、出渕裕デザインによる「ヘビとリンゴ」をモチーフとしたものになった。エンブレムの中央にはフリードリヒ・フォン・シラーの詩『歓喜の詩』の一節

überm Sternenzelt Richtet Gott, wie wir gerichtet
星空の上で神がお裁きになる、我らがいかに裁いたかを

が配置されている。 なお、新ゼーレマークに描写されたリンゴは「『創世記』における知恵の実」を、ヘビは「同じく『創世記』でハヴァ(イブまたはエバ)に知恵の実を食するように唆したヘビ」を表しているのではないかと考えられる。参考までに、『創世記』には「知恵の実=リンゴ」とする記述は無く、後世の主にヨーロッパの宗教画で確立された概念である。また、そのヘビは『ヨハネの黙示録』で「サタンの化身」とされたため、それを聖典とする宗教、ユダヤ教、キリスト教などではサタンとされる存在で、後に「堕天使ルキフェル」と言う概念が成立した際に「サタン=堕天使ルキフェル(ルキファー)」との概念が生まれた。

[編集] エッセネ派

エッセネ派とは、紀元前2世紀から紀元1世紀にかけて存在したユダヤ教の一グループの呼称。現代では複数の関連のある集団がまとめてエッセネ派という名で言及されていたと考えられている。呼称の語源は不詳。現実の死海文書を編纂したと言われるクムラン教団はエッセネ派に所属するグループもしくはエッセネ派そのものとする説があるが、異議を呈する学者たちも存在している。

[編集] 『新世紀エヴァンゲリオン2』による補足

ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では、新たな設定が加えられた。ゼーレは中世暗黒期に誕生した宗教団体であり、歴史的変遷を経て秘教秘密結社化した。ゼーレはゆるやかにだが確実に勢力を伸ばし、ついに1900年代中頃には最後の抵抗勢力を叩き潰して人類を裏から支配する隠然となる勢力となった。これは2015年現在も続いている。

ゼーレは巨額の富を持つがゆえに芸術や学術のパトロン集団という側面も持っており、これが世間一般に知られるゼーレの「表の顔」である(冬月が学者仲間からユイの背後の組織の存在を、噂でゼーレという名を聞くことができたのはこのためであろう)。 元は宗教教団であったためか、ゼーレは己の宗教の遺構調査の資金援助等もよくこなした。この中で死海文書が発掘されたことがゼーレにとって重要な転機となる。完璧な予言書たる死海文書を手に入れたゼーレは、それまでは先祖の世迷言程度としか思ってなかった教義にもう一度目を向けることとなった。神の奇跡を予言という形で目の当たりにしたことで、信心に立ち返ったといっていい。そして神に限りなく近い存在であるアダムも予言書の記述通りに実在したのである。

アダムの発見は、確信となってゼーレの背中を押し、信仰を更に先鋭化させた。黒き月、即ち箱根ジオフロントの発掘とリリスの発見、人工進化研究所の設立とそれに続くゲヒルンの構築、人類補完委員会の設立、使徒との戦闘をにらんだ国連主導の世界構築。そして、アダムの復活計画=E計画。これらは、セカンドインパクトに前後して一斉に行われた。

ゼーレの教義とはアダム・カドモンへの道。すなわち不老不死の神に近づくことである。

なお、本編でははっきりしなかった碇ユイとゼーレとの関係も、「ゼーレの有力者の子女であり、(単なる血縁者ではなく)ゼーレの計画を理解できる立場にすらあった」と明記された。

[編集] 最高幹部の人数

モノリスとして現れるゼーレ最高幹部の人数については、製作者側で設定が混乱しているようである。テレビ放映版では一画面に全てのモノリスが一度に登場することはないが、劇場版ではモノリスの数は12であり、テレビ放映版でもモノリスを照らす光の数から12であると分かる。しかし、第弐拾壱話『ネルフ、誕生』脚本には「男13」が存在しており、脚本段階と作画段階での齟齬がみられる。貞本義行による漫画版では脚本の記述が採用され、ゼーレの会議では13個のモノリスが描かれている。ビデオ版ではテレビ版と共通のカットについては変更はないが、第24話『最後のシ者』の新作カットでは15のモノリスが描かれており、ゲーム『シークレット オブ エヴァンゲリオン』もこれと同じである。結局のところ映像ソースからは確実な数字は分からない。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版では、ゼーレの人数は7人である。

[編集] 声優リスト

ゼーレ最高幹部を担当した声優は以下の13人である。なお、モノリスナンバーがないのは特定できないもの、表記は配役表による。

[編集] FFにおけるゼーレ

ユダヤ陰謀論と重なるためか、ファンフィクション(FF)では白人至上主義の集団として描かれることがままある。しかし、アメリカ代表の人類補完委員会メンバー(委員A)はアフリカ系であることからこの点は崩れる。

劇場版の演出から、はじめから碇シンジの精神状態をあのように崩壊させるために暗躍していた、との解釈も多くなされるが、子細に劇場版を読み解けば「初号機パイロットの欠けた自我」を依代としたのは偶然の結果であることがわかる。また、碇ゲンドウを危険視しているゼーレがその息子であるシンジを補完計画の中心に据えることは本来望ましいことではない。本編では消えたが弐拾壱話『ゼーレ、魂の座』脚本決定稿及びそれを取り入れたコミック版では「碇の息子を神の子とするわけにはいかぬ」の台詞があり、このことからもゼーレはシンジをむしろ有害とさえ考えていることがわかる。

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