アンビリカルケーブル(英:umbilical cable)とは、人造人間エヴァンゲリオンの活動に必要な電力を供給するためのケーブル。語源は胎児と母胎をつなぎ、ガス交換・栄養補給を行う臍帯(umbilical code)、つまりへその緒から。
普通の電源コードと違い、エヴァ側にコンセントを持ち、その形状からして、三相交流が流れているものと思われる。有線であるために、ひとつのソケットでの活動範囲に限界が生じてしまう。エヴァは非常用電源を搭載しており、ケーブル未接続の状態ではフルチャージ状態で最大戦速で1分強、通常稼働モードではゲインを含めて5分間の活動が可能となっている。内蔵電源を放電しつくす前にケーブルを再接続することで、さらに活動することが可能。ちなみにその刃の並び方は『ふしぎの海のナディア』に登場する「ネオ・アトランティス帝国皇帝」のものと同一である。しかし、エヴァンゲリオンのものは接続端子が円柱状をなしている。ソケットには脱落時の衝撃低減を目的としたロケットエンジンのバーニアが仕込まれているが、下敷きとなった自動車が潰れて四散している描写からその効果のほどは疑わしい。
エヴァがこのような形の動力を採用した理由として、演出面では「ロボットアニメでウルトラマンをやりたい」との庵野秀明の意向があり、これが出発点となっている。
設定的には、第弐話『見知らぬ、天井』で赤木リツコが「私たちの科学の限界ってわけ」と述べているように、技術的な限界からやむを得ず、との見解がある。ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では、同じくリツコの研究により活動限界を10分まで延長できる、としているが、ゲームとして機体進化が必要とされるが故の演出ながら、この側面を重視したものであろう。一方、装甲板としてカモフラージュされた「拘束具」と同様に暴走したときの対策であるとする見解もある。このことは第伍話『レイ、心のむこうに』の零号機稼働実験から推測できる。また、第拾九話『男の戰い』冒頭のようなパイロット自身の“暴走”に対しても有効な保険となりうるだろう。
S2機関を搭載済みのエヴァ(ゼルエル捕食後の初号機、量産機)では、必要なエネルギーをS2機関から得るため、アンビリカルケーブルは不要とされる。もっとも、初号機はアルミサエルとの戦闘ではアンビリカルケーブルを接続している。これについては、S2機関が発電機ではない以上、エントリープラグ内の生命維持装置や諸計器、或いは補機などの稼働には従来通り電力を必要とするため、とする説が有力に唱えられている。もっとも、第拾六話『死に至る病、そして』でレリエルに取り込まれた後のシンジがしたように、これまで動力に回していた内蔵電源を転用するだけで、優に数時間連続の作戦行動が確保できるはずである。現にタブリスとの戦闘ではアンビリカルケーブルを接続していない。したがって、アルミサエルとの戦闘ではS2機関搭載後初の実戦ということで慎重を期したと推測できる。
余談だが、米SFTVドラマシリーズ「スタートレック」にて「U.S.S.エンタープライズ」の出航シークエンスで「メイン・アンビリカル外せ」なるセリフが見られる。英語でumbilical cableという場合、海底通信ケーブルなど臍帯と同様に複数のラインを一つの被覆でまとめたケーブルを指すようである。宇宙飛行士の船外活動用宇宙服の命綱もumbilical cableと称しており、生命維持に必要な電力、酸素、通信の用に供していることからも、後者の意味が近いように考えられる。エヴァンゲリオンのアンビリカルケーブルにも、電源ラインと共に通信ケーブルとしての役割があると取れる描写がある。